急性腰痛症(ぎっくり腰)を誰かに理解して欲しい方がいましたら、これを読んでもらってください。
[質問]
▪️腰の痛みを感じたことはありますか(ご本人)
▪️病院で急性腰痛症(ぎっくり腰)と診断されたことはありますか
▪️家族で腰の痛みの辛さを実感又は共感されたことはありますか
▪️腰の痛みで何か悩んでいることはありませんか
さて、あなたは急性腰痛症(ぎっくり腰)を『実際に経験した先生』と『経験したことがない先生』のどちらの先生に話を聞いて欲しいですか
また身体を預けて治療をして欲しいでしょうか
基本的に治療されるのはどちらの先生でも構いません。ですが急性腰痛症(ぎっくり腰)を実際に経験した先生は間違えなく、あなたが伝えてくる身体の状態(症状)を理解し、共感できる存在であるのは間違いありません。
ここで医療従事者である先生方は急性腰痛症を経験した事がないからといって逃げるのではなく、医学的知識の中でこの症状と痛みを理解し、対応することで実際に経験した人から言わせるとそれだけでも大変嬉しく思うのです。
私自身も身体にメスを入れて手術をしたことがありません。だからこそ、その患者様の痛みや不安、病室から手術室まで行く恐怖感も想像するしかありません。知らないからこそ、その人の事を知ろうとする努力は最低限心がけることが大切であると私は思います。
さて、本題に戻ります。
からだの修理屋さん®️ SPORTS RING JAPAN 整骨院で院長をしています近内です。
先日、腰部に激痛が走り、身体をまったく動かすことが出来なくなってしまいました。
わからない人も多いと思うので説明しますと、身体がまったく動けない状態というのは、身動きも取れず、身体を少しでも(小さな振動[人が歩く振動など])動かすものなら、全身に激痛が走ります(激痛とは鋭利なもので全身を刺されているような感じです)
さらにその激痛で呼吸が一時的に止まり、その際、腹部に力を入れてしまうことから腹部痛も合併してしまい、呼吸困難に襲われてしまいます。実際、私はその状態が長時間続き、腹部(特に肋骨下部や横隔膜)がガチガチに固まり、酸欠状態になってしまいました。
一般的に急性腰痛症の疼痛緩和肢位は『横向きの方が望ましい』と言われていますが、私自身は横向きと上向きを繰り返すことをしないと痛みが軽減しませんでした。
軽減するというよりは激痛でじっとしていられない状態(のたうち回る)という表現が正しいかもしれません。
横向きの肢位では両膝同士の接触による膝の痛みや下方の大腿骨骨頭(外側骨盤)の圧迫痛も併発。もちろん自分だけでは体位変換ができず、上向きや横向きになる場合は家族の介助が必要でした。私がもがき苦しんでいる姿を子ども達も目の前で見ていたので、介助も積極的に手伝ってくれ安心してことを薄っすら覚えています。
横向きの肢位では、膝の間に厚みのある枕やタオルを挟んで寝た方が膝同士の接触による痛みが軽減されました。
上向き肢位では背部痛に伴い、肩甲骨痛や腹部痛(腹直筋)も同時に激痛に襲われます。
腹部痛(腹直筋)や背部痛は湯たんぽなどで温めることで筋肉が少し緩み、痛みの軽減が出来ました。
横向きから上向きの体位変換は15〜20分程度で行うことで、併発痛を伴わないように注意することが大事でした。また下半身は膝を曲げた方が伸ばした方よりも少しは楽な感じがありました。
腰痛症は現役時代から何度も経験していたので、勝手に痛みが和らぐと安易に考えていましたが、痛みは引くことなく、立つこともできず、耐えきれず、我慢の限界を超え、救急車を呼ばずにはいられない状態となり、救急要請をしました。
救急車で運ばれる際は救急隊の方々が気を遣って運んでいただけましたが、私は2階に居たため、2階からの搬送だったので、ストレッチャーは入らず、エアーベットを使い、自分ではまったく動くことが出来ない重い身体を持ち上げてくださり、2階から下されました。
救急隊からは事前に『運ぶ方法はこれしかない!痛みが強くなりますが頑張ってください!我々も何とか振動をかけないようにしますので!』と励まされて実行!
救急隊の言う通り、全身に激痛が走りながら、外に出されたストレッチャーに乗せられました。
時間は数分だったと思いますが、私には10分以上の激痛が全身に走っていたように感じました。
ストレッチャーに乗ってからも安心ではなく、ここからがさらに大変でした。救急車の搬送中、道路の状態やブレーキ・アクセルだけの振動でさらにさらに激痛が走り、最悪な状態は病院までの15分間続きました。
病院に着き、救急車のストレッチャーから病院のベットに乗り換え、病室に向かう時、病院の天井を見ながら『このまま手術かな』『今日、帰れるのかな』『明日には仕事いけるかな』と様々なことを考え、不安と恐怖しかありませんでした。
病室に着くと血圧、検温され異常なし、座薬のボルタレンと胃薬を投与され、レントゲン撮影(異常なし)。立つことも体位変換もひとりでは出来ませんでしたが、自宅には介助者がいるということで入院はせず、ひとまず自宅に帰らされて、再度翌日一般診療に来てください!と言われて一時帰宅。薬を服用され、帰宅しても痛みは発症日と変わらず歩行困難、体位変換困難、全身激痛でした。
2日目、朝から一般診療を受診するにも歩行困難により、自力で病院に行くことができなかった為、2日連続で2度目の救急搬送となりました。
初日、救急隊からは『こんなに酷い腰痛症の人は滅多にいないし、搬送もしたことない!なぜこんなになるまで我慢したの?すぐに救急車を呼んでくれないとダメでしょ!』と一括されていたので、2日目は素早く救急車を呼びましたが、もちろん初日と変わらず、救急車の中でのゲキ揺れの激痛は最悪でした。
病院に着くとまたもやボルタレンを投与。下肢の感覚障害なし、痺れなしの状態であったがMRI検査を実施し、ヘルニアの兆候もなしと診断されました。
ボルタレン投与後も痛みが変わらなかったため、担当の先生が麻酔科の先生に引き継ぎ、神経ブロックの注射をするかしないかの診断をしてもらい、最終的に麻酔科に行き、神経ブロック注射を打つことになりました。
神経ブロック注射後は多少痛みが引き、座位も歩行もできるようになり、治療はまだ続きますが、怒涛の2日間の戦いは一先ず終わりました。
昨今、急性腰痛症(ぎっくり腰)という言葉がなぜか『軽い症状』という言葉で認識されているような気がします。
整骨院の院長も急性腰痛症になるのですね!と言われてしまうかもしれませんが、医者も風邪を引きますよ!笑
何より今回、私も重度の症状でありましたが、私よりも重い急性腰痛症で戦っている患者様がいることを思うと本当に胸が痛くなります。
急性腰痛症を安易に考えず、日頃のケアを欠かさず行うことで、発症や悪化させないようにしましょう。
『健康であることが当たり前ではなく、健康であることが奇跡である!』
【もし、急性腰痛症(ぎっくり腰)の方いたら】
1.急性の場合はアイシングをしましょう。氷で冷やす。湿布は効果低い。
2.身体を動かすことはせず、安静にする
3.ゆっくりと横になって、腰や背部下部に負荷をかけないようにする
4.腰ベルトがあれば、装着する
5.家族の協力を得る
6.悪化しないうちに医療機関を受診する
7.できれば早めに救急車を要請する
【今回の処方薬】
1.ボルタレンサポ50mg
2.ケタキャブ錠10mg
3.セレコキシブ錠100mg
4.リリカOD錠75mg
5.芍薬甘草湯エキス細粒
6.ツムラ麻黄附子細辛湯エキス顆粒
【医療装備品】
1.マックスベルト R2(アール・ツー)〈腰部固定帯〉
【対応】
1.救急車搬送 119番